赤井川村・風力発電を考える会 ホームページ

美しきわが赤井川村に計画される
ふたつの風力発電所に反対します
赤井川村は北海道の中央部、札幌圏内にある人口1100人ほどの小さな村です。
人口は少ないですがカルデラ地形の広がりは雄大で、村はすっぽりと森に囲まれています。秋になるとたちこめた雲海に羊蹄山が浮かぶ見事な光景が展開し、「日本で最も美しい村」の創設メンバーに選ばれました。農業と観光を中心に、村は平和にゆったりと日々を送ってきました。
ところが突然、この美しいわが村に風力発電所建設の計画が持ちこまれました。計画はふたつあり、どちらも村の北部、隣接する小樽市と余市町にまたがる国有林を建設場所とするものです。
ひとつは関西電力、もうひとつは日立グループによるものです。4200kwという超大型の発電装置をそれぞれ20数基、合計で40以上もの風車を建設しようとするものです。
私たちは村の自然と村民の安全を守るためにこの大規模風力発電計画に反対します。

風力発電に反対する4つの理由
風力発電に反対するのにはいくつもの理由がありますが、まとめて次の4点に絞って提示します。
1.風力発電による自然破壊
赤井川村での計画はいずれも国有林(保安林) に建設しようとするものです。自然度の高い一帯の森林は地域の財産として保護し、継承すべき財産です。またここには多くの野生の生き物が暮らしており、生態系の保全の意味でも貴重な森林です。企業の一時的な利益のために破壊することは許されません。
2.土砂災害や水源破壊の危険性
村を取り巻く尾根を結ぶ形で風力発電所は計画されていますが、これは土砂災害の観点から危険だと思われます。また一帯は「水源涵養保安林」の指定地域であり、その頂上部に大規模な土木工事が行われることは、土砂災害だけでなく水源地としての機能からしても避けるべきだと思います。
3.低周波騒音による健康被害
風力発電所はプロペラと発電装置からかなりの音量の騒音を発します。問題はこの騒音が近くで聞き取れる範囲を大きく超えて、「低周波」として広がることにあります。事業者側はこの「聞こえない音」について無害を主張しますが、実際には発電所近隣住民の健康被害が明らかになっていますし、転居を強いられるケースもあります。建設場所は住宅地から少なくとも10㎞離す必要があります。
4.景観上の問題
赤井川村に計画されている風力発電のプロペラは高さ150mもある大規模なもので、札幌テレビ
塔を越えるサイズです。このサイズの風車が村を囲む森に40基も建設され、夜間には「航空障害灯」が一斉に点滅します。それは「日本で最も美しい村」に選ばれたわが村に決してふさわしい光景ではありません。

計画の位置図
上図は国土地理院地図のわが赤井川村部分を切り取ったものです。
図にあるとおり村の北部にある山岳地帯にふたつの風力発電所が計画されています。西側余市寄りに日立、右側小樽市に隣接して関西電力が建設区域を表明していて、それぞれ20数基の風車を予定しています。
この図では特に村の施設までの距離に重点を置いて表していますが、それは低周波音による被害の問題に注目しているからです。企業側は1㎞離れれば大丈夫、というような説明をしますが、研究者によれば少なくとも10㎞以上離れる必要があるとのことです。
図の計画区域の全部が国有林、保安林であり、植生自然度9 、10 という森林地帯です。当然そこには多様性に富む生態系があり、守り続けるべき大切な村の共有財です。